花屋さんで売っている切り花はときどき、固いつぼみの状態だったり、咲いている花の中につぼみがちらほら混じっているものがありますよね。そういうものかと思って買ってみると、咲かずに枯れてしまってがっかりしたことはありませんか?
切り花のつぼみはそもそも開花するの?
切り花のつぼみは必ず咲くのかというと、必ずしもそうではなく、咲くものもあれば、メインの花のオマケに付いてきた飾り的なつぼみであることもあります。
見分ける方法はいくつかあります。まず、ひとつの茎にひとつの大きなつぼみが付いていて、そのつぼみがメインの花の場合には、あまり手をかけなくても簡単に咲く状態まで育ってから切られているはずです。
大切なのはこの、土から切られるときに十分に育っているかどうか。土にある栄養を根から十分に吸収できると切り花は元気に育ちますが、切り花にしてしまうと、どうしても吸収できる養分が限られてしまうので、ある程度大きくなっていないつぼみは、どんなに手を尽くしても咲きません。
ですので、茎にたくさん花がついていて、ほかに咲いている花がある場合、小さくて固いつぼみは咲かずに枯れてしまうことが多いです。
つぼみが咲きやすい花
フリージアやグラジオラス、蘭のような花の連なっている花は、特別なお世話をしなくても下のほうから順番に咲いていきます。一番先の2~3のつぼみは小さすぎるので、基本的には咲きません。
よく見かける花では、ヒマワリ、チューリップ、ユリなどのつぼみはだいたい咲きます。
バラは、品種によってはグワッと大きく開かずに、ほんのり開くだけのものもあります。安い小ぶりな品種に多いです。
つぼみが咲きにくい花
ひとつの茎にたくさん花がついている花は、先に成長した花がきれいに見られるタイミングで切られるので、小さなつぼみは咲かないことが多いです。人気のスプレーカーネーションやトルコキキョウのつぼみは、咲かせるものというよりは飾りですね。かわいいです。
水揚げのよくない花の場合、メインの花でも咲かずに枯れてしまうことがあります。シャクヤクは小さいつぼみで購入すると、ちゃんと面倒をみないと咲かずに枯れてしまうことがあります。
切り花のつぼみを咲かせる方法
できるだけたくさんのつぼみを、きれいに咲かせるにはコツがあります。このつぼみは咲くかもしれないな?と気になるものがある場合や、メインのつぼみなのに元気がなくて心配な場合に試してみましょう。
余分な葉を取りましょう
根っこがなくって、土にも埋まっていない切り花。細い茎の断面から吸い上げられる水分や養分には限りがあるので、栄養を与えたいところに養分が行き渡るように、手を加えましょう。
葉がたくさん付いていると、一枚一枚に水分を取られてしまい、どんどん葉の表面から蒸発してしまいます。花瓶に飾るのに葉があったほうが見栄えがするかもしれませんが、上のほうの数枚を残して、ほかの葉っぱは取ってしまいましょう。
あんまり小さいつぼみでアレンジに影響がないものも、勿体ない気がしますが、思い切って取ってしまうのがいいです。
茎を短く切りましょう
茎は短ければ短いほど、水を全体に、確実に巡らせやすくなります。つぼみを咲かせるには、いかに限られた養分を花全体に届けるかが大切なので、アレンジや飾る場所と相談して、できるだけ短くしましょう。
できれば茎が長いまま、背の高い花瓶に飾りたい場合には、しばらく茎が長いまま楽しんでから、後半は思い切って短くする、という手もあります。
栄養剤を使いましょう
つぼみを咲かせるにはたくさんのエネルギーが必要です。小さなつぼみがたくさんついている場合には、できるだけ多くのつぼみを開花させるのに、花瓶の水に養分を加えてください。
切り花専用の栄養剤(延命剤)を使うのが確実で簡単ですが、切り花の養分は糖なので、砂糖を混ぜるだけでも効果があります。身近なものでいちばん有効なのは、なんと!サイダーです!
基本的なお手入れも大切です
切り花を健康に保つことも、もちろん大切です!とくに気をつけたいのは、花を咲かせるには光合成が必要だろうと思って日向に置いてしまうこと。地面に埋まっているときには日光が好きな花も、切り花にすると痛みやすくなっているので、直射日光の当たる場所に置くのはどんな花でもNG!です。
そのほか、花屋さんがやっている、花を長く楽しむための手入れ方法はこちらのページで紹介しています。役に立つ情報をまとめているので、ぜひご一読ください♪