切り花を長持ちさせるにはサイダーが効果的!という噂を聞いたことがありませんか?なぜサイダーで花が長持ちするのかよく分からないうえ、どれくらい入れるのか?どうやって使うのか?コーラやスプライトでは駄目なのか?など、詳しい部分がよく分からなくて半信半疑になってしまいますよね。
このページでは、花屋でお客さんに質問されていたときに答えてる、切り花でサイダーを長持ちさせるって本当?についてまとめています。
なぜサイダーが切り花にいいの?
切り花を長持ちさせるときに使うものといえば、花瓶の水に混ぜて使う専用の延命剤です。延命剤を使うと、花に栄養を与えてよりカラフルに瑞々しく保つことができ、水が汚れてしまうのを防ぎ、花の水揚げを良くする効果が期待できます。
とはいえ、たまにもらった切り花一回だけのために延命剤を購入する気には、なかなかなれませんよね。そこで、役に立つのがサイダー。あまりに共通点が見られないので、なぜ???と首をひねってしまいますが、なんとサイダーには、花の栄養になる成分と水を汚れにくくする効果が備わっているんです!
糖が切り花の栄養になります
植物は糖をエネルギーにして成長したり、花を咲かせたりします。なので甘い飲み物や、何なら砂糖を花瓶に入れれば効果が期待できるます。
そんな中でもサイダーが勧められていることには理由があり、サイダーなどの炭酸飲料に含まれている果糖ぶどう糖液糖はふつうの糖よりも粒子が小さいので、茎にある細い管から水分を吸い上げる切り花が吸収しやすく、より確実に花全体に栄養を行き渡すことができるんです。
酸性なので水が汚れにくくなります
糖は切り花の栄養になると同時に、バクテリアの栄養にもなってしまいます。なので花瓶の水に砂糖だけを混ぜた場合、水道水だけの場合に比べてバクテリアもぐんぐん繁殖してしまうんです。
しかし、サイダーの炭酸ガスには静菌作用があるので、砂糖だけ入れるときに比べて、バクテリアが繁殖しにくいです!
水が汚れると水分や糖分と一緒にバクテリアも花に入ってしまい、そうすると花の管や根本の断面に汚れが詰まり、水が吸収できない状態に。そのまま放置しておくと、切り花は水が吸えなくてすぐに枯れてしまいます。
毎日花瓶の水交換ができたらいいのですが、なかなかそう頻繁に水替えができないとき、サイダーは心強い味方です。
サイダーの使い方
サイダーさえ自宅にあれば、使い方はいたって簡単!
まずはサイダーの炭酸を適度に抜きます。あまり強いと切り花を痛めてしまうので、蓋を開けたときにプシュッっていう音が控えめにしたかな?くらいに気の抜けた状態にしましょう。
準備ができたら、花瓶の水に対してサイダーを2割くらいの量で混ぜれば完了です。
ほかの炭酸飲料でも代用できる?
先ほどからサイダーサイダーと言っていますが、炭酸飲料はほかにもいろいろありますよね。サイダーはないけどスプライトならあるけど…という家庭もあることかと思います。
切り花の延命目的で使う炭酸飲料は、無色のものだったら概ね大丈夫です。商品によっては香料、ph調整剤、酸味料などが使われていて酸性ではなく、静菌作用が弱いものもあるかもしれませんが、糖が入っていれば花の栄養にはなりますし、果糖ぶどう糖液糖であればなお良いです。
では、炭酸飲料の王様、コーラはどうかというと、暗色の炭酸飲料はさらに酸性が強くて、今度は切り花が耐えられない状態になってしまいます。サイダーがないので代わりにすこーしだけ入れるくらいなら大丈夫ですが、水に対して2割入れてしまうと花を枯らせてしまう可能性があるので注意が必要です。
サイダーを入れたら水替えはしなくてもいい?
サイダーには静菌作用がありますが、残念ながら、完全に、永久的に菌を発生させないものではありません。
とくに花瓶には切り花を生けてありますし、サイダーにはバクテリアの好む糖も入っているので、細菌は増えやすく、水が汚れやすい状態。強力な殺菌効果がある、というよりは、バクテリアの養分になる糖を入れたけど、バクテリアがそこまで早く増えない、くらいの効果が考えられます。
ですので、やっぱり水替えはできるだけ頻繁に行って、水を替えるついでに花瓶をきれいに洗って、切り花の根本を切って断面を清潔にしましょう。毎日できるのが理想的ですが、2日に1回、目に見えて汚れてしまっているときだけ替えるだけでも効果はありますよ!
サイダーが家にないときに使える身近なもの
サイダーは専用の延命剤に比べて、値段的にも購入できる場所的にも買いやすいですが、それでも家にないものをあえて購入するほどではないな~~という場合もありますよね。
切り花を長持ちさせるのに使えるものは、サイダーのほかにもいろいろあります。サイダー以外にも、使いやすいものを組み合わせて使ってみてください♪
また、切り花を長持ちさせるのに一番効果的なのは、水をきれいに保つことと、花がつねに水を吸収できるようにすることです。なんにも入れなくても毎日花瓶の水を交換して、水切りして花が水を吸収しやすいようにすることが、切り花を長く楽しむ一番の方法です。