大きめの花が存在感があるのに、繊細な花弁が儚げで、そのアンバランスさが他にない魅力のダリア。一輪だけ細めの花瓶に飾るだけでも映えるし、ほかの花とアレンジすると豪華になる、人気のある切り花です。
気になるのは日持ちについて。ダリアはきれいだけすぐに枯れちゃうのよね~という印象があり、嫌煙しているのは勿体ないかも?このページでは、ダリアの日持ちや長持ちさせる方法について、花屋さんの知識を紹介します。
ダリアを日持ちはどれくらい?
ダリアはとくべつ日持ちする花ではありません。長持ちしやすい丈夫な品種を新鮮なときに購入して、ダリアにとって快適な環境で丁寧にお世話をすれば、10日ほど楽しむことができますが、基本的には5日から一週間くらいの寿命です。品種によっては2日程度で花弁が落ち始めるような場合もあります。
もともとはもっと持ちの良くない花で、いかに長く楽しめるように改良するか、が、今でも生産者さんの課題となっています。
ダリアを長持ちさせるコツ
日持ちしにくいダリアは、花をこまめに手入れしたり、水換え水切りをこまめにしたりして長持ちさせる、花を飾り慣れてる人向けの花でもあります。基本的な長持ちさせる方法はほかの花と同じですが、ダリアならではの注意点も踏まえて、改めてコツをおさらいしてみましょう。
新鮮な花を選びましょう
寿命の短いダリアの場合、1日でも新鮮な花を購入するのがとても大切。花を買う予定の花屋さんの入荷日を調べて、新鮮な花が購入できる日に店に足を運びたいものです。
多くの花屋さんの場合、花市場の開催される「月水金」が入荷日になっていて、その日の午後に行くと処理の済んだ新鮮な花が店先に並んでいます。が、地域によっては別の日にも花市場があったり、スーパーなどの場合は別の場所で花の処理を終えてから各店舗に配達するような場合もあるので、翌日になったりします。
花屋さんが教える新鮮なダリアの見分け方
新鮮で丈夫なダリアを見分けるコツもあります。一番簡単なのは、花の外側の花弁に注目する方法。多くの花は外側から枯れていきますが、ダリアも例外ではなく、外側の花弁が縮れていたり茶色がかっている場合、それほど新鮮ではない可能性が高いです。傷んできた花弁は切ってしまう花屋さんもあるので、外側の花弁が切られていないかどうかもチェックしましょう。

また、花が開ききると徐々に中央にある雄しべが露出してくるので、雄しべが主張しているダリアは咲き切ってしまっていて、あとは枯れるだけの段階の可能性大です。ほかのダリアと比べてみて、雄しべが見えにくいものがあるようでしたら、そちらのほうが新鮮な状態でしょう。
持ち帰ったら水切りしましょう
切り花を長持ちさせるのに大切なことをふたつ選ぶとしたら、水切りと花瓶の水換えです。花屋さんから家に持ち帰るまでのあいだに茎の切り口が乾燥してしまうので、花瓶に飾るまえの水切りはとくに大切。普段の水切りが面倒な場合でも、ぜひ水切りしたいのが最初に花瓶に飾るタイミングです。
水切りとは、水中で切り花の切り口を少しだけ切り、新鮮な状態にするテクニック。詳しい方法についてはこちらを参照ください♪
葉を取りましょう
花屋さんですでにやってくれている場合が多いですが、もし茎にたくさん葉がついている場合には、下の方についている葉を取り除きましょう。はさみを使う必要はなく、手で下向きにひっぱれば簡単に取れます。花のまわりの葉は残して、上から1つ目の節より下に付いている葉を取るのが目安です。
ダリアはあまり水上げの良い花ではないので、葉がたくさん残っているとメインの花まで十分な水が行き渡らずに、水不足になってしまうのを防ぐことができます。
切り花の基本、花瓶の水換え
いつでも花瓶の水をきれいに保つのも、切り花を長持ちさせる基本です。水を交換すればいいので難しいことはないですが、こういう簡単で当たり前なことが、なんだかんだいって一番効果があります。できれば毎日、毎日は無理でも水換えがストレスにならない程度に、目に見えて水が濁っていたら交換しましょう。
ダリアは水に使っている部分の茎が腐りやすく、腐ってしまうと水上げが悪くなったり、水が汚れやすくなってしまいます。花瓶にいれる水の量は3センチ~大きな花瓶でも10センチ程度の少なめにして、水を交換するときに茎についたぬめりを洗い落とし、そのつど水切りができたら完璧です。
切り花用の延命剤、ハイターや砂糖などを水に混ぜるのも効果的です。入れすぎると枯らしてしまうので、量には気をつけて使用しましょう。
繊細に扱いましょう
ダリアは繊細で壊れやすい花です。花びらや葉はちょっと折れ曲がると跡が付き、そこから茶色に変色してしまいますし、茎の中は空洞になっているので、ポキっと折れてしまいやすいです。
配送中に傷が付きやすいのも課題になっているので、購入する前に傷んでいないか確認するのも忘れずに!
枯れた花びらは切り取りましょう
ダリアの花びらは外側から徐々に枯れていきますが、一番外側が茶色がかっていても、花自体はまだ生き生きとしてるのではないかと思います。捨ててしまうにはもったいないですが、枯れている部分が気になりますよね。
そんなとき、つい引っ張って取ってしまいたくなりますが、抜いてしまうと新鮮な花びらも一緒に抜ける原因になるので、傷んでいる花弁を取りたい場合には、抜かずにハサミで切りましょう。
元気がないときは湯あげをしましょう
ダリアは水上げのいい花ではありません。どういう意味かというと、水を吸い上げる力が弱いので、花全体に水を行き渡らずに、茎が柔らかくなったり花弁がしなしなしたりして、元気がなくなってしまうことがあります。
まずは水切りをして花瓶の水を交換してようすを見ますが、それでも改善しない場合には湯あげをしましょう。茎の切り口を熱湯につけて茎に入ってしまった気泡を押し出すことが目的で、花の水あげを良くすることができます。湯あげのやり方についてはこちらを参考にどうぞ♪
品種によって日持ちしやすい?
ダリアは品種によって日持ちしやすかったり、すぐに枯れてしまったりします。見た目の好きな花を選ぶのが一番ですが、それにしても2、3日で枯れてしまうのではちょっと困る…という場合もありますよね。

ダリアは花の大振りなものがより印象的で息を呑みますが、大きいものほど繊細で扱いも難しく、どんどん花弁が抜け落ちてしまううえ、水あげもよくありません。手のひらサイズかそれ以上大きいダリアは、長くても3日程度でどんどん傷んでしまいます。
10センチ程度の小ぶりのダリアは断然日持ちしやすいですが、小さくても気をつけたいのは、花弁がストローのように丸まっている、ストレートカクタス咲きやフリル咲きのダリア。ユニークでかわいい見た目で、ちょっと違った花が欲しいときにおすすめしたいですが、持ちはあまりよくなくて、5日前後~という感じです。
長持ちするダリアが欲しいときには、ポンポン咲きやボール咲き、フォーマルデコラ咲き、セミカクタス咲きあたりの、あまり大きくない品種を選びましょう。とくに茎が太めで丈夫な花が日持ちしやすいです。
ダリアの蕾は開花するの?
ひとつの茎にひとつの花が咲いていて、飾りのように葉と小さな蕾が付いていることが多いダリア。この小さな蕾が開花するのならば、ずいぶん長持ちするような気がしますよね。
しかし残念ながら、小さくて硬い蕾は基本的には開花しません。ときどき開くこともありますが、蕾がメインの花のように大きく成長することはないので、小さくて未熟なまま花開きます。なので、蕾が咲くことを期待して購入すると残念な結果に終わってしまいます。
ダリアはドライフラワーにできる?
ダリアは水分が多く、柔らかくて繊細な花びらがたくさん付いているので、ドライフラワー向きの花ではありません。向いてはいませんが作れないわけではないので、色は落ち着いて華やかさはなくなりますが、ドライフラワーにすること自体は可能です。
壊れやすい花にあまり触れずに、急激に負担を掛けない方法で乾燥させるのがきれいに仕上げるコツで、定番の逆さにして乾燥させる方法や、電子レンジで一気に乾燥させる方法よりも、シリカゲルと一緒に密封して乾燥させる方法が向いています。