梅雨時に世界を彩ってくれる花、アジサイ。モコモコした大きな花がかわいくて、庭に植えているおうちも珍しくありません。うちの庭にも欲しい~!と思って人に話したら、アジサイは庭に植えてはいけない…という話を聞いて、びっくりしてしまうひとが時々います。
なぜアジサイは庭に植えてはいけないと言われているのか、諸説あるのでまとめてみました。
安全上の理由
まず気になるのは、もしかして、アジサイには物理的に安全ではない理由があるのかな?ということです。庭に植えるのに安全でないなら、諦めるしかないですからね。
アジサイの葉に毒があるため
アジサイの葉には微量の毒があります。とはいっても、基本的には触るだけで危険なわけではなく、間違って食べてしまった場合に軽い中毒症状が出る程度。これまでに死亡者が出た記録もありません。
体質によっては葉に触ることでかぶれてしまったり、小さな子どもがいる家庭の場合には、子どもが誤って口に入れないように注意する必要はありますが、毒があるから庭に植えたら駄目!というほどのものではありません。
枝が細く折れやすいため
土地や時代が変わると、庭には折れやすい木は植えるべきではない、という考えがあります。子どもが登って遊んだり、手入れをするときに何気なく登ったりして、折れたりすると危ないから、というのが理由だったようです。
こちらもアジサイの葉の毒と同じく、アジサイの枝は細いから登ってはいけない、と知っていて、子どもがいる場合に気をつけることで解消できます。
迷信や風水上の理由
アジサイに関する迷信や風水は多く、現在「アジサイを庭に植えてはいけない!」と言われる所以は、ほとんどがここにあります。
科学的根拠のない迷信や風水の扱いは難しく、本人が気にしないのなら遠慮なく植えるべきですが、もし何かあったときに「もしかして庭にアジサイを植えたから…」と気になってしまう性格の人や、ご近所や親戚に気にする人がいる場合には、あとでトラブルにならないよう事前に相談してみるのがいいかもしれません。
死を連想させるため
医療が発展していない時代、アジサイの咲く梅雨時は温度の変化が激しく、病人や死者の多く出る季節でした。そんな暑い時期でも元気に花を咲かせるアジサイは重宝され、お寺や墓地などで死者への手向けの花として多く栽培され、ときには死者の手に乗せられることもありました。現在でもお寺や神社にアジサイの名所が多いのはこの時代の名残ですね。
そういったアジサイの歴史や、さらにアジサイの花びらが4枚で、4の数字が「死」と結びつくため、アジサイを見ると死を連想して演技が悪い、と考える人がいます。
風水で注意が必要なため
風水では、アジサイには肌にこもった悪い気を吸い取ってくれる働きがあるとされています。ただし、悪い気と一緒に愛情運も吸い取ってしまうので、アジサイを庭に植えたり、アジサイの鉢植えを室内に飾ると、未婚の女性は異性との縁が深まらなくなってしまう、という警告もあります。
また、既婚者の家にアジサイを置くと、悩みやストレスを吸い取ってくれるともいわれ、既婚者には演技がよく、未婚女性には縁起が悪い植物、ということになります。
アジサイを植えると良い方角と理由
アジサイは風水では水性の植物とされているので、水を司る方位、北に飾ると、運気アップに効果があります。とくに仕事や家庭での悩みやトラブル解消に期待できる方位です。
東、東南に飾っても大丈夫です。東に飾った場合には健康運と仕事運、東南に飾った場合には、対人関係のトラブルを解消してくれる力があります。
また、玄関脇に植えるアジサイは金運アップが期待できます。
アジサイを植えると悪い理由
環境によって花の色を変えるアジサイは、まるで服装や髪型、メイクで姿を変える女性のよう。その様子から、アジサイは女性の花、とされることがあります。庭に植え根付いたアジサイは、その家から動くことができないことに女性を重ねて、家に根付いた女性は嫁に行けない、というのが、異性との縁を吸い取っていしまう、と言われるようになった所以です。
また、アジサイの花は咲き終わると徐々に色が褪せていく様子が衰退を連想させ「アジサイを庭に植えると大黒柱に良くないことが起きる」という話もあります。
どちらも理由を知ってしまうと「なんでそんなことで」と思ってしまいますが、信用している人にとっては絶対なことを侮辱したり、軽視するのはまた別の話なので、もし身近に気にするような人がいる場合には配慮が必要です。
アジサイは光がないと花が咲きません
アジサイは日陰に植えてあるものよく見かけるので、日光がなくても花を咲かせるもの、暗がりが好きな植物、だと思っている人がときどきいます。しかし、実際には、アジサイは日向のスッキリとした場所を好む花で、ある程度日の光を浴びないことには、花が咲かないこともあります。
風水を気にかけて植える場所を決める場合でも、ある程度日の当たる場所を探して植えたほうが、健康でたくさんの花を咲かせられます。
木の大きさと手入れ上の理由
アジサイ栽培経験者の場合、アジサイの木の性質を考慮して「やめておいたほうが」とアドバイスしたくなる人もいるようです。アジサイは簡単に花を咲かせることができる強い植物ですが、植える前に場所を選ぶ必要があります。
アジサイは意外と大きくなります
剪定して希望の大きさに保つこともできますが、品種によっては放っておくとかなり大きくなり、高さは2メートル以上、一株で1000以上の花を付けるものもあります。
竹やミントのように植えたら根からどんどん数を増やして手に負えなくなる…ということはありませんが、植えてあとは水やりをするだけ!な、楽ちんで小ぶりな植物を想像していると、気がついたときには立派な木になっていた…なんてことになってしまうこともあるので、庭に植える品種がどれくらい大きくなるものなのか確認して、場所を選ぶようにしましょう。
わたしもひとつ育てていますが、鉢植えで育てる、というのもありです。鉢植えはアジサイ以外にもいろいろ育てています。観葉植物のおすすめについてはこちらもぜひ!
アジサイは管理しないと花が咲きません
また、アジサイは花が枯れても散らずにそこに留まっているので、枯れるころになったら切って次の花を咲かせる手間、シーズンが終わったら来年も花が咲くようにハサミを入れる手間、があります。これをサボると、どんなに水や肥料をやっても花が咲きません。
アジサイの花を咲かせるのは難しくありませんが、植えたらあとは水やりをすればいいので簡単!な花ではないので、ちょっとした手間があることを知っておきましょう。
アジサイは土によって色が変化します
花の色はその花が持つ色素と、水や土から入ってくる色素によって決まります。アジサイの場合、土壌のPH値で色が変化し、土が酸性の場合には青い花、中性の場合にはピンク色の花が咲きます。ですので、ピンクのアジサイが欲しくてピンクの花が咲いているアジサイを購入して植えたら、翌年青いアジサイが咲いた!なんてことも。
ほかの花との色合いを気にして庭作している場合には、予想外の色が出てきてしまわないように、土のPH値を確認、コントロールする必要があります。
まとめ
アジサイにまつわる「植えてはいけない」をまとめて紹介しましたが、理由や対策を知っていれば、悪いことが起こるまえに防げることばかりです。
わたしの実家の庭でも母がアジサイを育てていました。咲いたアジサイを朝切って持たせてくれ、学校に持っていって教室に飾ったことがあるのを、今でも暖かい思い出として覚えています。
庭に季節感を与えてくれ、人の記憶に残りやすいアジサイです。植える場所や育て方を調べて、ぜひ庭で育ててみてください。