繊細なほそ~~い茎に、明るく瑞々しい緑色の小さな葉っぱがたくさんついた何ともかわいいアジアンタムを、ついに先日、購入しました!
ずっと欲しかった観葉植物だったので購入して大満足したのですが、アジアンタムといえば、花屋で働いていたときに、うっかりするとすぐに枯らしてしまい、お客さんの相談も断トツに多かった、難しい印象のある植物です。すぐに枯らしてしまわないように、改めて育てかたを復習しました。
アジアンタムってどんな植物?
英語では「Maidenhair Fern」と呼ばれ、オーストラリアでも大人気のアジアンタム。毎週どっさり入荷しては、とくべつ目立つ場所に並べ、週末には飛ぶように売れていくシダ植物です。
そうたくさん売れていくと、つい考えてしまうのが「みんなうまく育てられずに枯らしてしまうから、くりかえし新しいものを買ってるのかなあ」ということで、それもそのはず、店が忙しいときに雑でいい加減な水やりしかできないでいると、ほかの植物はピンピンしているのに、アジアンタムだけはすぐに枯れてしまうんです。
なので、見た目がかわいいし、どんどん売れるので花屋に優しい花だけど、育てるのは難しいんだなあ、という印象だったのですが、実際のところ、水やりの加減が難しくて、慣れるまで気を使う必要のある植物です。
アジアンタムの室内での育て方
アジアンタムは、元気に育っていると、成長期である4月から9月にかけてよく成長します。寒さと乾燥に弱いので、気温が8度を下回る季節と、土の湿り具合には気を配ってあげましょう。
どこに置く?
インテリアに合わせて場所を選びたいところですが、まずはアジアンタムくんが快適に過ごせる場所を探すところから始めましょう。
アジアンタムは耐陰性があるので、とくべつ明るい場所に置く必要はありませんが、柔らかい日の入る場所に置いたほうが健康な株に育ちます。あまり光の入らない場所に置く場合には、ときどき明るい場所で日光浴させてあげましょう。
わたしはトイレに置くことにしました。高い位置に窓があるので明るいけれど、直接日が当たることはありません。
直射日光を避けましょう
しかし、明るければなんでも良いというわけではなく、ほかの多くの観葉植物と同じく、直射日光を当ててしまうと葉焼けします。完全に寒さが過ぎ去る5月ころからは、レースカーテン越しでも日差しが強いことがあるので、明るいけど日は注いでいない場所が適しています。
エアコンの風の当たらない場所に置きましょう
乾燥に弱いアジアンタムの天敵はエアコン!直接風が当たると乾燥しやすく、葉が傷んでしまいます。
どれくらい水やりをする?
アジアンタムで難しいのが水やりの加減です!乾燥に弱いのでこまめに水やりをしたいのですが、わたしはカシワバゴムとシマオオタニワタリを水のやり過ぎで枯らしたことがあるので、どうしても心配になってしまいます。
夏の水やり
暑さで水が蒸発しやすく、アジアンタムにとっては成長期でもあり、たくさんの水を必要とする夏。土の表面が完全に乾いてしまう前に、毎日~2日に1回水やりをします。
ただ、日中のうだる時間帯にドバっと水やりをすると暑さで蒸れてしまうので、朝か夕方以降の涼しい時間になってから、根本ではなく土に流し込みましょう。
気温が10度以上の季節
春秋には、土の表面が乾いてきたら水やりをします。秋に買ったわたしのアジアンタムは、4日か5日に一度、キッチンのシンクに入れて鉢の底から水が流れ出てくるまでたっぷりと水やりをして、完全に水を切る方法で水やりをしていますが、今のところ元気そうにしています。
葉が乾燥してチリチリになるようだと水が足りていないので、水やりの回数を増やしてください。
気温が10度を下回ったときの水やり
気温が10度以下になると成長がゆっくりになり、それまでよりも水を必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。土が乾燥してから2日ほどぐっと我慢して水やりをする感じです。
問題は、根からは水を必要としていないけど、葉は乾燥するので葉水をする必要があること。この「葉を濡らしたいけど土は濡らさないほうが良い」という葉水の加減が難しくて、わたしはちょっと苦手なんですよね~。
暖房を効かせている部屋はとくに乾燥しやすいので、こまめに加湿するようにします。葉の裏やアジアンタムの周囲にシュシュっと霧吹きで水を吹きかけるけど、土がビショビショにはならないくらいの加減です。
剪定はしたほうがいい?
元気に育っているあいだはとくに必要ありませんが、茎ごと折れてしまったり、乾燥して葉がチリチリになってしまったり、黒く変色してしまった葉は、育て方を見直してみても残念ながら復活しません。
そのままにしておくと見栄えが悪いですし、通気性を要するためにも根本からハサミで切りましょう。
肥料はあげるべき?
花を咲かせるわけではないので、とくべつ肥料を与える必要はありませんが、早く大きく育てたい場合には、成長期である4月から気温が下がる11月ころまで液体肥料を10日に1回、もしくは、緩効性肥料の肥料を2ヶ月に1回与えてみましょう。
成長が緩やかになる寒い季節に肥料をやると肥料やけしてしまうので、成長期だけに控えます。
アジアンタムは植え替えは必要?
購入してから1、2年もすると、アジアンタムは鉢が小さく見えるくらいに成長します。枯らさずに成長できましたね!おめでとうございます!
そのまま同じ鉢に入っていると窮屈で、根詰まりになってしまうか、根腐れの原因にもなってしまうので、2年に一度は植え替えをしましょう。
植え替え時期は5月から7月にかけてできれば理想的ですが、もし逃してしまった場合には、暑さが去った9月後半に行います。それ以上遅れると、寒くなって成長が止まる前に根を張ることができず、冬越が危ぶまれます。
植え替え、といっても難しいことはなく、今入っている鉢から引っ張り出し、手でほぐすように古い土を落とし、もし傷んで黒くなっている根があるならハサミを使って取り除き、一回り大きな鉢に新しい土で植えれば完成です。
どんな土を使うべき?
市販の観葉植物用の土で元気に育ちます。
アジアンタムは乾燥が苦手ですが、かといって土がつねにジメッとしていると根腐れになってしまうので、底に鉢底石を敷き詰め、通気性と排水性を確保しましょう。
増やしたい場合は?
シダ植物は挿し木では増やせないので、アジアンタムを増やしたいときには、植え替えをするついでに株分けするのが簡単かつ一般的です。胞子を集めて発芽させる方法もありますが、コツがいりますね。
株分けするのはとっても簡単で、鉢から出して土を落としたアジアンタムと、グワッ!とふたつかみっつに分けて、それぞれ別の鉢に植えれば完成です。鉢は大きいサイズにはせずに、それまでと同じサイズのものを使います。
繊細な見た目のアジアンタムを雑に扱うのは心配な気がしますが、根っこはかなり丈夫なので、こんがらがっている場合にも力任せに引きちぎってしまって大丈夫です。手で分けられない場合には、ナイフを差し込んで切り分けるようにしてから、手で分裂させます。
問題発生!こんなときどうする?
気をつけて育てていても、思いがけないトラブルに見舞われることもあります。もしこんな状態になってしまったら、どうやって乗り越えれば良いのでしょうか?
葉のうらに黒いぶつぶつがある!
小さい葉っぱのひとつひとつの裏側に、小さい虫のような黒いぶつぶつをたくさん見つけて、びっくりしてしまう。あると思います。わたしは集合体恐怖症なので、このぶつぶつは気持ち悪くてちょっと苦手です。
しかしこれ、アジアンタムの作る胞子の袋なので、至って自然で健康な証。胞子は集めて植えれば、うまくいれば株を増やすことも可能です。
(胞子からの植物育成はまだ未挑戦なので、いつかやってみたいと思っているところです。湿度や温度の管理がちょっと難しそう…)
あんまり見栄えがしないですが、そのままそっとしておき、とくに何もしなくても大丈夫です。
アジアンタムが枯れてしまったら?
うっかり水やりが足りていなくて、何日か目を離したすきにあっという間に葉がチリチリになってしまった!あると思います。
わたしも職場でアジアンタムを扱っていたときに、花屋さんのピークである母の日だったりして忙しいときに、後ろの方の鉢まで水やりが行き渡らず、ピークを抜けてちゃんと水やりできるぞ~!と思ったときにはすでに枯れてしまっている…という経験をしたことがあります。
傷んでしまった葉は水やりをしても再生しませんが、株が生きていれば新しい芽を出す可能性が高いです。なので、全体的にチリチリになってしまった!という場合でもすぐに処分せず、枯れてしまった茎をまとめて短く切り、目が出てくるか観察してみましょう。
アジアンタムの成長記録
ここからは、わたしが購入したアジアンタムくんの成長について紹介します。6月の初めに買った鉢ですが、オーストラリアに住んでいるので季節が逆で、6月は冬の初めになります。
冬と言ってもかなり暖かい地域ですが、夜になると10度を下回る日も。置く場所と水やり頻度に悩まされます。
植物で溢れる家を目指して、ほかにもいろいろ育てています。その他の植物について紹介しているこちらのページもぜひ♪
2020年6月
トイレに置くことにしました。土の表面を指で触って確認しつつ、5日に1度くらい水やりをしています。
鉢カバーはIKEAです。ちょうど良さそうだな~と思ったのですが、ちょっと背が低かったですね。IKEAの鉢カバーは自社製品の人工植物サイズになってるのか、しっくりこないへんなサイズが多い気がします。安くておしゃれなのに惜しい…
2020年7月7日
5日に1度くらいの水やりで、購入して一ヶ月を突破しました~!
室内の寒い場所に置いているからか、土の乾きが良くなかったので、一度野外の日陰に3時間ほど出してからたっぷりの水やり、葉水をしました。葉っぱについた水滴がきれい!
夜でも窓をあけっぱなしのトイレに置いているので、夜間は10度を下回ることもある気がするのですが、今のところ元気です。
8月16日
寒い(というほどでもないけど)季節を乗り切りました!暖かくなってきて、成長し始めた植物が目立つようになってきたので、アジアンタムにも液体肥料を与え始めました。
土があまり乾かないので、相変わらず水やりは5日に1度程度です。葉が乾燥してしわしわしてるな~と思うことが何度かあったので、2日に一度くらい軽く葉水をしています。
胞子らしきものもでき始めました!
8月25日
暖かくなってきたからか、外に出さなくても土が乾き始めるのが早くなり、3日に一回くらいのペースで水やりをし始めました。
シャワーの下においてじゃぶじゃぶ水やりをしていたら、水圧が強すぎたようで折れる茎が出てきました。折れてしまったらまっすぐに戻らないので、根本から切ります。